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1年弱のロンドン生活から日本に帰国。場所は変わっても相変わらずのマイペース。日々の生活で感じた小さな幸せを綴っていきます。


by mokomoko-chan
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Romanian Food

 突然Arinaの自宅へランチにお呼ばれ。なんでも休暇中のお父さんが私のためにルーマニア料理を作って待ってくれているのだとか。そりゃー行くしかないでしょう。

 辿り着いたのはNorth Londonの住宅地。ロンドンには両親と叔父さんが一緒に暮らしていて、ルーマニアにお祖母さんと住む彼女は休暇の度にここにやってきます。

f0048134_5175227.jpg 一緒にいるといつもお父さんからの電話が掛かってきていたので、とても仲がいい親子なのは以前からよ~く知ってました。どんな人なんだろうと期待に胸を膨らませていた私の前にドアの向こうから現れたのはやさしい笑顔のお父さん。



 小さなスペースながら家の中には家族の温かさがいっぱい。お父さんは「英語苦手だからごめんね」とはにかみながら言ってくれたけれど、Arinaの通訳を介しながら家族やルーマニアの写真を手におしゃべり。
 ロバが荷車を引いてたりとのんびりとした田園風景が広がっている彼女の故郷。昔ながらの素朴な生活の一方で家にある電化製品の多くは日本製というのを聞くと、日本の技術力に対する認知度の高さをうかがえます。

 今回の料理に使った材料の一部はArinaがルーマニアから持ってきた豚肉。しかもその豚肉はお祖父さんが家畜として飼っていた豚の肉。なんでも毎年クリスマス前には1匹を殺して、肉はもちろん内蔵、腸など全て無駄にすることなく食材にしてしまうのだとか。見せてもらった写真には燻した後に解体された豚の様子が克明に記録されていました(汗) 「ひえ~」とか言いつつしっかりその後にお手製のソーセージもいただく私。美味しかったです、はい。

 そしていざランチ開始。ルーマニア料理はこれが初体験だったけれど、今まで訪れた中欧の国と似ている料理がたくさん。中でもロールキャベツそっくりなSarmaleは味も抜群で一番のお気に入り。とうもろこしから作るMamaligaは不思議な味のする蒸しパンと言ったところ。勧められて口にしたTuicaというお酒は強すぎで残念ながら私にはNGでした。

 食事をしながらもArinaとの会話は続きます。お互いの近況、ルーマニアでの生活、そしてルーマニアのEU加盟。珍しく温厚な彼女が唯一声を荒立てたのがEU加盟に関するイギリスの新聞記事。

 「ルーマニアが"Excommunism"って酷くない?
  だってあれはもう17年も前のことで共産主義者はもういないのに!!」

 そう。ルーマニアといえば私のイメージは、鉄のカーテンの向こうにあった旧共産国圏。そして12月の空の下でその終焉を迎えたチャウシェスクの独裁体制の暗いイメージ。なかなか日本には情報が入らない国なので、彼女に会うまでのイメージは灰色そのものだったのも事実。さたには、ハンガリーの南かつブルガリアの北に位置していることは知っていても、恥ずかしながらルーマニアの正確な位置を良く知らず、1989年のイメージもあってもっと北に位置していると思ってました。
 実際のルーマニアは黒海に面し、四季も存在する自然豊かな国。西側の黒海沿岸では夏にリゾート客が多く押し寄せるそうです。さらに縫製業が盛んでZARAの洋服の多くがルーマニア製なのだとか。

 今はロンドンに居を構えている彼女の両親もビザを取るまでにかなり苦労したようです。まずは父親が観光ビザで入り、翌年ワークパーミットを取った母親が転入。父親はそのディペンダントとなることで"合法的に"働くことが可能となりました。その後、2人を頼って観光ビザ入国しロンドンで違法就労していた叔父。決して例外的な事例ではなく、イギリスで働く違法労働者数は年々増加傾向にあります。
 
 「でも1月1日からはもう合法よ」

 そう笑う彼女の一家はヨーロッパの現在をよく表していると思います。1990年まで続いた東西冷戦。壁が取り去られることで始まる"豊かさ"を求めた旧西側諸国への脱出。ある調査でルーマニアの平均月収は€200とされていた数字も彼女に言わせれば€100が現実なのだとか。一言でヨーロッパといっても旧東西での経済格差は未だに根強く残っている。こうした背景もありヨーロッパ最大の都市ロンドンではここ10年で人口構成比ががらりと変化し、財を成したロシア人はもとより東欧や中欧諸国、そしてイスラム諸国からの人口流入が続いています。ルーマニアの国営放送では、隣国モルドバにあるルーマニア大使館には、EU圏への脱出を求めて多くのモルドバ人が列を連ねていることが放送されていました。旧ソビエトだったモルドバの人々が支配国だったルーマニアに西側への切符を求めるとはなんとも皮肉な話です。

 彼女と知り合わなかったら強く意識することもなかった時代の潮流。"経済的に1つの大陸になろうとしているヨーロッパ"に住んでいると今まで知らなかったことが見えてきて、豊かさに恵まれた日本では決して得られない刺激を受けます。2007年1月1日からブルガリアと共にEUに新たに加入したルーマニア。そんな歴史的時期に彼女と知り合えたのも何かの縁なのかも。


 帰宅してから「ありがと~♪」とメールを送ったらこんな返信が。


 You are the sweetest girl in the world.
We thank you for accepting our invitation and my dad sais it was a plesure and he'll make sarmale in spring again.

なんとも素敵な賛辞をいただきました。

そんなThe sweetest girlも半年後には三十路を迎えます。
by mokomoko-chan | 2007-01-04 19:33 | English