Barcelona - Goulmet-
2007年 04月 07日
スペインといえばフランス・イタリアと並ぶ美食の国。とりわけ最近では世界一予約の取れないレストランといわれるエル・ブジ(El Bulli)に代表されるように、地元の素材をふんだんに使いつつも伝統にとらわれない創造的料理で注目を集めるスペイン料理界。そして肉より魚介好きな私としてはシーフード天国スペインで食い倒れせずにはいられまい!!ってことでとにかく食べまくってきました。
いつも旅先では"安くて美味しいものを"がモットーの私達。ロー&ミドルアッパー位の予算で食事を済ませてきた私達も、今回は値段にこだわらずとにかく美味しいものをとちょっと趣向を変更。
結果から大・大・大満足。こんなに食で満足した旅はないってくらい。
バルは以前行ったバレンシア&アンダルシア地方に比べると小奇麗なものが多かった気がするバルセロナ。それでもバルもレストランもどこもかしこも美味しかったから甲乙付けがたいけれどその中からいくつかピックアップ。
<ランチ編>
海鮮食品の流通システムが発達しているだけあって活気に溢れるマーケットには新鮮な食品がずらり。透き通るような色のイカ、活きた海老、艶からして新鮮さが分かる野菜たちとロンドンでは目にできない食材に目が移りっぱなしでした。あ、もちろん一番心を捉えたのはイベリコ豚の足ですが(苦笑)
マーケットには所々バルがあって気軽に食事が楽しめます。
新鮮な食材は注文してから目の前で調理されるので見ているのも楽しい。真後ろに立ってプレッシャーを掛けてくるお客さん達も気にせずゆったり食べるのが一番。早い者勝ちだから焦る必要なんて全くなし。
滞在中1日2回は食べていたPan con Jamon Iberico。トマトとニンニクをこすり付け、その上からオリーブオイル、イベリコ豚を載せたパン。トマトがさっぱりしているのでいくらでもぱくぱくいけてしまう。そのほかはアンチョビ、トルティージャ、イカなどなど。
これで2人で€35くらい。イベリコやタコは少しお高めだけどそれ以外はお得感たっぷりでロンドンの物価からすると信じがたいお値段。どこのお店も12時半ぐらいから混み始めるので12時前くらいに行くのが懸命です。
<ディナー編>
事前予約してものすご~く楽しみにしていたJean Luc Figuerasでのディナー。
元々Balenciagaのアトリエだった邸宅を改築した店内は天井も高くてとてもゆったりした雰囲気。サービスもイギリスにありがちなposhな雰囲気はなく、気さくながらもきちっとしたもので旅の疲れを癒してくれます。
ここの特徴はカタルーニャ料理とフレンチをベースに地元の素材をふんだんに使った創造性溢れる料理。それを満喫するためにこの店のお薦め料理約20品を少しずつ味わえるTasting Menu(€90)を注文していざ勝負!!
食前酒Cavaと一緒に出された1皿目からしてやられました。(ついでに写真も撮り忘れました) アペリティフで出てきたのは"パプリカのパイ"、"マヨネーズのシュー"そして"カレー風味のマドレーヌ"。「えっ?こんな組み合わせ?」と思うほど意外な素材での3品は口に入れるまで味は想像がつかなかったけれど一端舌に触れると不思議なくらい美味しい。この時点で「絶対にこのお店は美味しい!!」と確信。
メニューの説明(英語)はうろ覚えなのでざっくりした内容ですが一応コースを。
2皿目"シーフードのアペリティフ:蟹のゼリー アサリとワカメの和え物 鮭の和えもの"
3皿目"スモークフォアグラ"。通常フォアグラは1切れ食べ切るにはしつこすぎるけれど、なぜかこのフォアグラは濃厚な味でも全くしつこさを感じない。オニオン&ブイヨンのジュレとも絶妙な組み合わせ。
4皿目"ホタテ貝のロースト パプリカソース和え"。ぷりっぷりのホタテにちょっと苦味のあるパプリカがなんともいえない。
5皿目"ピスタチオとズッキーニのパエリア"。最初お皿の柄かと思った1本線はなんとイカ墨で書かれたもの。パエリアをかき混ぜるとその熱でイカ墨が溶けるという仕組みは脱帽。魚介の濃厚な出汁が効いて、絶妙な硬さに炒められた米、食感にパンチを与えるピスタチオ。今回のコースでは1番お気に入りの一品でした。
6皿目"白身魚のグリル"。柔らかい白身魚にチーズ風味のソースが優しく絡みます。ふっくら感とあふれる汁が新鮮な証拠。
7皿目"鳩のロースト"。上にかかった甘みのある岩塩がミディアムレアの肉の味を引き立てます。どれもこれも美味しい上にさっぱりした味だからペロリと平らげてきたけれどさすがに7皿目となるとお腹がきつくなってきて、泣く泣くこの一品は半分でギブアップ。このために朝も昼も控えめにしたのに(苦笑)
20時半からスタートしてこの時点で22時。メインも終わって長い道のりを越えていよいよ次はデザート。イギリスのような"こってり甘々&どっちゃり"だったら確実に白旗と不安を抱える私の目の前に出された8皿目"ジンジャーアイスのパッションフルーツソース添え"。大好きな柑橘系にして上品に盛られた一品は、これまでの胃の疲れを取り除く爽快さ。
そして続く9皿目"パイナップルのコンポート"。 甘いものが苦手な私達は普段あまりデザートを頼むことはないけれどこれはしっかりいただけました。 締めのエスプレッソにもフィンガーアソート付。ここまでくると眠たさも手伝ってもう覚えてません。それでも「お腹いっぱい」とかいいつつ手が伸びる私。あくなき食への執着心(笑)
スタッフから温かく見守られながらお店を出たのは23時過ぎ。そうスペインの夜は遅いのです。レストランも21時から営業開始が多く20時半は早いほう。バルも夜中の2時過ぎまでやっているので「22時過ぎからが本番だよ」と以前クラスメイトに言われた覚えがあります。こんな時間から大量に食べるなんてどんな強靭な胃袋を持っているんですかね。
そういえばスペインではゲストを招いたとき"げっぷをするまで食べさせる"という習慣があるそう。中国も同じだけど、日本では無礼とされる仕草も所変われば相手を喜ばせるものになるから面白いですよね。でもゲップって出そうと思って出るものじゃないから大変かも(^^)ゞ
胃も心も満腹だったディナー。なかには塩が微妙に多いかなと思えたものもあったけれどそれ以外は文句なし。今回再認識したのが"食事は五感で愉しむということ"と"コースには物語があるということ"。5皿目に代表するようにプレゼンテーション力は今まで足を運んだどのミシュラン星レストランよりも優れてました。食も芸術的領域に入るとゲストを目で愉しませ味を想像させることで、実際に口にした時にさらに感動させてしまうんですね。そして出される料理の順番、素材、味の構成はよく練られていて、ゲストの舌を飽きさせず胃を疲れさせない。毎日こんな贅沢な料理をいただきたいとは思わないけれど、食の可能性や奥深さを新鮮に感じさせてくれたいい機会でした。
Jean Luc Figueras
Carrer Santa Teresa, 10
08012 Barcelona
Tel: 93 902 520 522(予約)
<アルコール編>
スペインのワインと言えば赤の王様Riojaが有名。でもお酒好きでなくともCavaはぜひとも試してもらいたい一品。Cavaはあまり日本ではなじみがないけれどシャンパンと同じ製法で作られるスペイン産スパークリングワイン。もちろん食前酒にもってこい。
中でも自信をもっておススメするのは今回Jean Luc Figuerasで飲んだRovellats Masia S.XV (D.O. CAVA)
一口目で「これはっ!!」と2人して顔を見合わせたほどの美味しさ。キュっと冷えているのにものすごく舌触りがまろやかで口の中にフルーティーな香りが広がるスパークリングワインなんて初めて。そんな高いシャンパンは飲んだことないけれどこれまで飲んだ中で一番といえるほどの味。さらに嬉しいことに市場価格はなんとシャンパンの約3分の1以下!! もちろん銘柄を教えてもらって観光がてら酒屋をくまなくチェックしてしっかりゲットしてきました。
<お土産編>
CACAO SAMPAKA
Consell de Cent, 292
08007 Barcelona
Tel:93 272 08 33
ここはEl Bulliのパティシェも務めていたAlbert Adriaがプロデュースしたチョコレート店。
カカオ豆の原産地が明記された商品には様々な素材を使ったデザートチョコや幅広い濃度のチョコプレートが並べられていて中にはカカオ100%というものもありました。80%までは食べたことがあるけれど100%ってどんな味なんでしょうね。スペイン国内だけでなくドイツやイタリアにも店舗があるので、気になる方は是非足を運んで挑戦してみてください。個人的にはいろんな種類のチョコボールがお気に入り。
<番外編>
空港で時間つぶしをしている時に見つけたのがこれ。
なんとこれレトルト・パエリアなのです。レンジで2分。日本の五目御飯と言ったところ。 味は未だ不明だけどお弁当に使えそうですよね。イギリスのそこんじょらのレディミールよりはるかに美味しそう。シーフード味とズッキーニ味があります。
これ以外にツマミ部隊はマーケットでカラスミとイベリコ豚を調達。
とこんな感じでバルやレストランで昼夜問わず食べまくり2人ともやや体重増量で帰国(苦笑)それほどスペイン料理は熱かった訳です。グルメな方はぜひとも訪れるべき場所かと。
観光編は順にアップしていきます。
いつも旅先では"安くて美味しいものを"がモットーの私達。ロー&ミドルアッパー位の予算で食事を済ませてきた私達も、今回は値段にこだわらずとにかく美味しいものをとちょっと趣向を変更。
結果から大・大・大満足。こんなに食で満足した旅はないってくらい。
バルは以前行ったバレンシア&アンダルシア地方に比べると小奇麗なものが多かった気がするバルセロナ。それでもバルもレストランもどこもかしこも美味しかったから甲乙付けがたいけれどその中からいくつかピックアップ。
<ランチ編>
海鮮食品の流通システムが発達しているだけあって活気に溢れるマーケットには新鮮な食品がずらり。透き通るような色のイカ、活きた海老、艶からして新鮮さが分かる野菜たちとロンドンでは目にできない食材に目が移りっぱなしでした。あ、もちろん一番心を捉えたのはイベリコ豚の足ですが(苦笑)
マーケットには所々バルがあって気軽に食事が楽しめます。
新鮮な食材は注文してから目の前で調理されるので見ているのも楽しい。真後ろに立ってプレッシャーを掛けてくるお客さん達も気にせずゆったり食べるのが一番。早い者勝ちだから焦る必要なんて全くなし。
滞在中1日2回は食べていたPan con Jamon Iberico。トマトとニンニクをこすり付け、その上からオリーブオイル、イベリコ豚を載せたパン。トマトがさっぱりしているのでいくらでもぱくぱくいけてしまう。そのほかはアンチョビ、トルティージャ、イカなどなど。
これで2人で€35くらい。イベリコやタコは少しお高めだけどそれ以外はお得感たっぷりでロンドンの物価からすると信じがたいお値段。どこのお店も12時半ぐらいから混み始めるので12時前くらいに行くのが懸命です。
<ディナー編>
事前予約してものすご~く楽しみにしていたJean Luc Figuerasでのディナー。
元々Balenciagaのアトリエだった邸宅を改築した店内は天井も高くてとてもゆったりした雰囲気。サービスもイギリスにありがちなposhな雰囲気はなく、気さくながらもきちっとしたもので旅の疲れを癒してくれます。
ここの特徴はカタルーニャ料理とフレンチをベースに地元の素材をふんだんに使った創造性溢れる料理。それを満喫するためにこの店のお薦め料理約20品を少しずつ味わえるTasting Menu(€90)を注文していざ勝負!!
食前酒Cavaと一緒に出された1皿目からしてやられました。(ついでに写真も撮り忘れました) アペリティフで出てきたのは"パプリカのパイ"、"マヨネーズのシュー"そして"カレー風味のマドレーヌ"。「えっ?こんな組み合わせ?」と思うほど意外な素材での3品は口に入れるまで味は想像がつかなかったけれど一端舌に触れると不思議なくらい美味しい。この時点で「絶対にこのお店は美味しい!!」と確信。
メニューの説明(英語)はうろ覚えなのでざっくりした内容ですが一応コースを。
2皿目"シーフードのアペリティフ:蟹のゼリー アサリとワカメの和え物 鮭の和えもの"
3皿目"スモークフォアグラ"。通常フォアグラは1切れ食べ切るにはしつこすぎるけれど、なぜかこのフォアグラは濃厚な味でも全くしつこさを感じない。オニオン&ブイヨンのジュレとも絶妙な組み合わせ。
5皿目"ピスタチオとズッキーニのパエリア"。最初お皿の柄かと思った1本線はなんとイカ墨で書かれたもの。パエリアをかき混ぜるとその熱でイカ墨が溶けるという仕組みは脱帽。魚介の濃厚な出汁が効いて、絶妙な硬さに炒められた米、食感にパンチを与えるピスタチオ。今回のコースでは1番お気に入りの一品でした。
6皿目"白身魚のグリル"。柔らかい白身魚にチーズ風味のソースが優しく絡みます。ふっくら感とあふれる汁が新鮮な証拠。
7皿目"鳩のロースト"。上にかかった甘みのある岩塩がミディアムレアの肉の味を引き立てます。どれもこれも美味しい上にさっぱりした味だからペロリと平らげてきたけれどさすがに7皿目となるとお腹がきつくなってきて、泣く泣くこの一品は半分でギブアップ。このために朝も昼も控えめにしたのに(苦笑)
20時半からスタートしてこの時点で22時。メインも終わって長い道のりを越えていよいよ次はデザート。イギリスのような"こってり甘々&どっちゃり"だったら確実に白旗と不安を抱える私の目の前に出された8皿目"ジンジャーアイスのパッションフルーツソース添え"。大好きな柑橘系にして上品に盛られた一品は、これまでの胃の疲れを取り除く爽快さ。
そして続く9皿目"パイナップルのコンポート"。 甘いものが苦手な私達は普段あまりデザートを頼むことはないけれどこれはしっかりいただけました。
そういえばスペインではゲストを招いたとき"げっぷをするまで食べさせる"という習慣があるそう。中国も同じだけど、日本では無礼とされる仕草も所変われば相手を喜ばせるものになるから面白いですよね。でもゲップって出そうと思って出るものじゃないから大変かも(^^)ゞ
胃も心も満腹だったディナー。なかには塩が微妙に多いかなと思えたものもあったけれどそれ以外は文句なし。今回再認識したのが"食事は五感で愉しむということ"と"コースには物語があるということ"。5皿目に代表するようにプレゼンテーション力は今まで足を運んだどのミシュラン星レストランよりも優れてました。食も芸術的領域に入るとゲストを目で愉しませ味を想像させることで、実際に口にした時にさらに感動させてしまうんですね。そして出される料理の順番、素材、味の構成はよく練られていて、ゲストの舌を飽きさせず胃を疲れさせない。毎日こんな贅沢な料理をいただきたいとは思わないけれど、食の可能性や奥深さを新鮮に感じさせてくれたいい機会でした。
Jean Luc Figueras
Carrer Santa Teresa, 10
08012 Barcelona
Tel: 93 902 520 522(予約)
<アルコール編>
スペインのワインと言えば赤の王様Riojaが有名。でもお酒好きでなくともCavaはぜひとも試してもらいたい一品。Cavaはあまり日本ではなじみがないけれどシャンパンと同じ製法で作られるスペイン産スパークリングワイン。もちろん食前酒にもってこい。
中でも自信をもっておススメするのは今回Jean Luc Figuerasで飲んだRovellats Masia S.XV (D.O. CAVA)
一口目で「これはっ!!」と2人して顔を見合わせたほどの美味しさ。キュっと冷えているのにものすごく舌触りがまろやかで口の中にフルーティーな香りが広がるスパークリングワインなんて初めて。そんな高いシャンパンは飲んだことないけれどこれまで飲んだ中で一番といえるほどの味。さらに嬉しいことに市場価格はなんとシャンパンの約3分の1以下!! もちろん銘柄を教えてもらって観光がてら酒屋をくまなくチェックしてしっかりゲットしてきました。
<お土産編>
CACAO SAMPAKA
Consell de Cent, 292
08007 Barcelona
Tel:93 272 08 33
ここはEl Bulliのパティシェも務めていたAlbert Adriaがプロデュースしたチョコレート店。
カカオ豆の原産地が明記された商品には様々な素材を使ったデザートチョコや幅広い濃度のチョコプレートが並べられていて中にはカカオ100%というものもありました。80%までは食べたことがあるけれど100%ってどんな味なんでしょうね。スペイン国内だけでなくドイツやイタリアにも店舗があるので、気になる方は是非足を運んで挑戦してみてください。個人的にはいろんな種類のチョコボールがお気に入り。
<番外編>
空港で時間つぶしをしている時に見つけたのがこれ。
なんとこれレトルト・パエリアなのです。レンジで2分。日本の五目御飯と言ったところ。 味は未だ不明だけどお弁当に使えそうですよね。イギリスのそこんじょらのレディミールよりはるかに美味しそう。シーフード味とズッキーニ味があります。
これ以外にツマミ部隊はマーケットでカラスミとイベリコ豚を調達。
とこんな感じでバルやレストランで昼夜問わず食べまくり2人ともやや体重増量で帰国(苦笑)それほどスペイン料理は熱かった訳です。グルメな方はぜひとも訪れるべき場所かと。
観光編は順にアップしていきます。
by mokomoko-chan
| 2007-04-07 00:18
| Travel